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2008 年 10 月 28 日

次世代テクノロジ革新のためのプラットフォーム

過去10年間に、IT分野では非常に大きな変革が起こってきました。この変革は、私たちが世の中の出来事を体験する方法、そしてその体験を他者と共用する方法を変えてきました。また、テクノロジ間の障壁をなくすことで、どこにいても人々や情報につながるようになり、新しいイノベーションが、アイデアを具現化するための時間を短縮してくれます。

この変革を起こす要素はいくつもあります。注目されているものを挙げると、大規模データセンターにおける膨大なストレージやコンピューティング能力と人々とを結びつける「クラウド コンピューティング」や、人々が家族や友人とつながる方法を変革したソーシャル ネットワーキング サイトがその一例です。

そのほか、デジタルカメラ付きの携帯電話、PC用大画面フラットモニターやHDTV、ハンズフリーのカー エンターテイメントやナビゲーション システムなどを始めとして、ごく当たり前に進化し、使い始めた瞬間から当たり前の存在になってしまうものもあります。

ここで欠けているものは、これらの要素をつなぎ、デバイスや場所に依存しない情報や、通信、コンピューティングをシームレスに結びつける機能です。今日、直感的にはやさしそうに見えても、依然として、実現困難なことがあります。なぜ、職場で作成した文書に家からアクセスできないのでしょうか。なぜ、お客様から得た情報すべての情報をひとつのアプリケーションで瞬時に利用できないのでしょうか。なぜ、職場と家庭でのスケジュールを自動的に同期してくれるカレンダーを作成できないのでしょうか。

今週(10月26日の週)ロサンゼルスで開催しているProfessional Developers Conference(PDC)において、これらを乗り越えるための新たなプラットフォーム テクノロジ群をソフトウェア開発者の皆様に紹介しました。これらのテクノロジは、今後、開発者の皆様が、デスクトップのみならず、携帯電話、メディア プレーヤー、自動車、さらにはかつては情報やコミュニケーションが不可能だと考えられていた領域で新世代の体験を創りあげる上で、多大な影響をもたらすものです。これについて私の考えを述べたいと思います。


クラウド コンピューティングの新たなプラットフォーム

PDCでは、マイクロソフトは新しいテクノロジであるWindows(R) Azure の早期プレビュー リリースが利用可能となったことを発表しました。Windows Azureにより、開発者は、クラウドから企業のデータセンターへと拡張でき、PC、ウェブ、携帯電話に対応するアプリケーションを構築することができるようになります。また、Windows 7およびWindows Server(R) 2008 R2の早期プリベータ版のコードも初めて公開しました。Windowsデスクトップ OSの次期バージョンであるWindows 7は、ソフトウェアとハードウェアの進化を活用して、情報、人々、デバイスの間に存在する壁を取り除くことに貢献します。

さらに、PDCでは、Office Web Applicationも公開しました。Office Web Applicationは、ブラウザーからアクセスできるように設計したWord、Excel(R)、PowerPoint(R)、OneNote(R)の軽量バージョンです。Office Web ApplicationはOfficeの次期バージョンの一部であり、これまでと一貫した、使い慣れた方法で、デスクトップ、携帯電話、ウェブ上で情報の閲覧、編集、共用、そして、文書の共同作成を行うことを可能にします。

Windows AzureはAzure Services Platformの一部です。Azure Services Platformとは、マイクロソフトが運営するデータセンターのネットワーク内に存在するストレージ、コンピューティング、ネットワーキングの大きな集合体のことです。Azure Services Platformを利用することで、開発者はクラウド内で稼働するアプリケーションを構築し、クラウド ベースの機能を活用できるよう既存のアプリケーションを拡張することができます。Azure Services Platformは、ビジネス向けおよびコンシューマー向けアプリケーションを構築するための基盤と、クラウド内で情報を容易かつ安全に保管し、共用する一貫した方法を提供します。

Windows Azureは企業の自社サーバー上で稼働するソフトウェアではありません。マイクロソフトが運営するデータセンターの拡大するネットワーク上で稼働し、これからのビジネス環境に対応しながら企業を支援するプラットフォームを提供するサービスです。 Windows Azureのテクノロジは、すでにWindows Server 2008やSystem Center Virtual Machine Managerなどの製品で利用しており、組織やマイクロソフトのパートナーが独自のクラウド基盤を構築することを可能にしています。

Windows Azureにより、組織は、ウェブを活用して、顧客に情報を提供し、一夜にして急速に拡大する可能性がある相手との対話を行うことや、顧客のニーズに応えるためにパートナー企業や、時には競合他社とも業務の統合を行うこと、新たな市場機会に対応するために素早く新たな機能を追加すること、従業員がどこにいても効率的かつ効果的に業務を行うことなど、様々な現実的課題に対応することが可能になります。これらの課題は、企業だけではなく、学校、政府機関、コミュニティ グループなどのあらゆる組織に当てはまります。

テクノロジ基盤の構築とコンピューティング能力の提供についての従来型のアプローチでは、こうした実情に対応することは困難で、高いコストが伴います。それには、サーバー、サーバーを格納する建物、サーバーを稼働する電力、サーバーを管理する要員などを含んで、想定される最大の需要に備えた十分なシステムを用意する必要があります。また、それらの一部に障害が発生した時のバックアップとして、これらの複数地域への分散や、異なるタイプのユーザーへのアクセス、顧客が住む国における税制への準拠などの課題にも対応しなければなりません。

Azure Services Platformは、今日の組織が必要とするグローバルな規模に対応することを想定して設計しており、サービスと機能を展開するための斬新な方法を提供します。企業は、必要に応じてクラウド内の容量を活用することで、需要の急増に備えるだけのための大規模な先行投資の必要性を減少できます。また開発者は、クラウド内で稼働する、従業員やパートナー、顧客が期待する機能、情報、対話性を持ったアプリケーションを、ユーザー数、ロケーション、使用しているデバイスに関係なく構築できます。


ソフトウェア+サービスと選択の権利

Azure Services Platformは、「開発者や、企業、コンシューマーにおける選択の自由がきわめて重要であり、また、ソフトウェアをPC、サーバー、デバイス上で稼働する優位点と、サービスをウェブ上で稼働する優位点を組み合わせることこそが、今後の価値の提供の鍵となる」というマイクロソフトの信念に基づいています。マイクロソフトはこのようなアプローチを「ソフトウェア+サービス」と呼んでいます。

マイクロソフトのソフトウェア+サービスのアプローチにより、人々は今日のデバイスが提供する卓越した機能をフルに活用することができるようになります。確かにブラウザー経由でウェブから豊富な情報やサービスにアクセスできることにもメリットがありますが、人々がPC、モバイル機器、メディア プレーヤー上で期待する体験は、強力なプロセッサー上で稼働する高度なソフトウェアがあってこそ実現されるものです。

マルチコアのプロセッサーがデバイスのコンピューティング能力を拡張し、デジタルテクノロジが音声、タッチ、ジェスチャー動作などのより自然な対話方法を使用した新世代のプログラミング言語が新世代のアプリケーションの可能性を切りひらくにつれ、これらの体験はますます高度化していきます。

ソフトウェア+サービスでは、多くの企業でIT基盤を構築する理想の方法は、組織内で稼働・管理するアプリケーションと、クラウド内で稼働・管理するアプリケーションの適切なバランスの発見にあるという点も認識しています。

ここでいう適切なバランスは企業によって異なります。たとえば、金融サービス業では、個人情報の安全確保のために自社のデータセンター内に顧客情報を置くことを選択するでしょう。そして、電子メールなどの基本的機能を提供するITシステムをアウトソースするかもしれません。

また、適切なバランスは時期によっても変化します。たとえば、自社独自でオンライン トランザクション システムを稼働している企業が、ホリデー シーズンの需要増加に対応するために追加の処理をアウトソースすることがありますが、ソフトウェア+サービスによって、アプリケーションを自社のサーバーとクラウドの間で迅速かつスムーズに移動することができるようになります。

現在、世界中の企業が、社内導入型のソフトウェアとクラウド ベースのサービスの最適な組み合わせを活用するために、マイクロソフトのテクノロジを採用しています。Microsoft Online Servicesを活用して、Coca-Cola Enterprises、Blockbuster、Energizerなどの企業が、ウェブ上のひとつの安全な基盤を通じてMicrosoft Exchange、SharePoint(R)、Office Communications Server、Live Meetingへのアクセスや管理を行っています。さらに、100万人以上の人々がOffice Live Workspaceを使用して、友人、家族、同僚との情報共有やコラボレーションを行っています。


パーソナル コンピューティングの定義を拡大

クラウド サービスのプラットフォームを構築する最大の理由は、コンピューティングが提供する価値の強化にあります。業務生産性の向上、同僚とのコミュニケーションの容易化、情報へアクセスする方法や変化する経営環境への対応の向上などの価値です。

ソフトウェア+サービスとクラウド コンピューティングの世界では、パーソナル コンピューティングの定義は、PCだけではなく、ウェブ、そして、常に拡大しつつあるデバイス群も含めた形へと拡大していきます。マイクロソフトの目標は、PC、モバイル機器、ウェブを組み合わせることで、個々の価値の単純合計よりもはるかに大きな価値を産み出すことにあります。

まずは、個々の要素の価値を考えてみましょう。PCの価値はそのコンピューティング能力、ストレージ容量、そして、私たちの生産性を向上して機能が豊富で複雑な文書やコンテンツを作成して使用できるようにしてくれる能力にあります。

ウェブの価値は、人々、情報、サービスを組み合わせ、誰でもどこでもいつでもつながり、コミュニケーションを行い、情報を共有して商取引を行なえるようにしてくれる能力にあります。

携帯電話などのデバイスの価値は、自由に行動を起こせることにあります。つまり、日常活動の中で電話をしたり、写真を撮ったり、メールを送ったりすることができるということです。

今年初頭に発表したマイクロソフトのサービスであるLive Meshの新たな情報についても、今週公開しました。Live Meshにより、マイクロソフトはPC、携帯電話、ウェブ間の橋渡しをし、次世代の“connected experience“を創造し始めています。Live Meshは、Azure Services Platform上で構築しており、職場のコンピューターに保管されたプログラムや情報を家庭内のPCで使用したり、また、その逆のことを行ったりすることができます。Live Meshを使うことで、フォルダーを共用し、デバイス間で情報が自動的に同期されるようにすることができます。

Live Meshにより、デバイス間の障壁が消滅し、人々、デバイス、プログラム、情報に瞬時に接続できることが現実となった時に、私たちの生活がどのようになっているかを垣間見ることができます。

上記に紹介したテクノロジの全てが実現したわけではありません。現時点ではAzure Services Platformは対象を限定したテクノロジ プレビュー リリースとして公開していますが、開発者の皆様が、この新しいプラットフォームと、すでにIT業界中で継続的に起こっているハードウェアとソフトウェアの素晴らしいイノベーションを合わせていくことで、情報、コミュニケーション、コンピューティングが、我々の日常生活の一部としてシームレスに行き来するという時代に急速に近づくでしょう。

これらのテクノロジの詳細情報、および、最新の情報については、マイクロソフトのソフトウェア+サービスのウェブサイトをご参照下さい。http://www.microsoft.com/softwareplusservices/
近い将来に、これらの新しいテクノロジについての追加情報をお届けできることを楽しみにしています。

スティーブ バルマー
 

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